はじめに
カモミールは、ラテン語で「大地のリンゴ(Chamaimelon)」と呼ばれるほど、やさしく心を和ませる香りをもつハーブです。
アロマテラピーにおいては、ローマンカモミール精油とジャーマンカモミール精油の2種類が特によく知られています。
同じ「カモミール」の名を持ちながら、その香りや特徴、働きは大きく異なります。本記事では、それぞれの精油の個性をご紹介します。
ローマンカモミールとジャーマンカモミールの特徴や主な違いをまとめました。

ローマンカモミール
ローマンカモミールは「安らぎのハーブ」とも呼ばれ、甘くやさしいリンゴのような香りが特徴です。
フルーティーで柔らかい香りは、心を落ち着けて不安や緊張をやさしくほぐしてくれます。
主成分にエステル類を多く含むため、リラックス作用に優れ、子どもから大人まで幅広く使いやすい精油です。
寝る前のアロマやストレスの多い日のケアにぴったりで、穏やかな休息へと導いてくれます。

ジャーマンカモミール
ジャーマンカモミールは、甘さに加えてハーバルでスモーキーな深みをもつ香りが特徴です。
蒸留の過程で生成される抗炎症作用のある「カマズレン」という青色の成分を含みます。
キャリアオイルに希釈をすることで肌荒れやかゆみなどのトラブルケア、筋肉痛や肩こりなどのボディケアにも活躍し、頼もしい精油といえます。
香りはやや甘さの中に土っぽさのような香りを含みます。
特徴 | ローマンカモミール | ジャーマンカモミール |
---|---|---|
香り | 甘くやさしいリンゴのような香り | 甘さのあるスモーキーな香り |
成分 | アンゲリカ酸イソブチル、アンゲリカ酸イソアミル | β-ファルネセン、α-ビサボロールオキサイド、カマズレン |
作用 | やさしい香りと癒し効果で、心の安らぎや睡眠サポートにぴったり。 | 深みのある香りと鎮静で、肌や体の不調を和らげます。 |